夏の始まる頃

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テントが張られていて、 早速バーベキューの用意が始まっていた。 バーベキューに参加したのは先輩方と彼女がいる人は一緒に来ている人が多い。 美緒と静香に健斗、その他同期の菅原くんで総勢15人。 菅原くんは見た目は派手だけど あまりしゃべらない独特な雰囲気 の持ち主。 あっ、菅原くん居たんだ… 心の中で思う。 菅原くんと目が合うと 「今、存在感ないなって思ったでしょ」ちょっと睨らまれた。 「あはは、そんな事思ってないよ」 美緒は苦笑いしながら答えた。 男性陣は火をおこし、お肉を焼く担当で女性陣は野菜を切ったり、飲み物の準備をしていた。 そろそろお肉が焼けてきたところで みんな好きな場所に座り飲み始めた。 美緒は涼馬先輩が斜め向かいの見える所に座り隣には静香と健斗、 健斗の横に菅原くんの順で座った。 「美緒ー、ちょっとこっち来て」 涼馬先輩が呼んでいる。 側に行くと涼馬先輩は美緒の口元に お肉を差し出して「はい、あーん」 …えっと…これは食べなさいって いうこと? お肉を見つめためらっていると 涼馬先輩は「食べるの」言いながら 美緒の口にお肉を放り込んだ。 もぐもぐしている美緒を見ていた 先輩が「かわいい!ヒナ鳥みたい」 からかうように笑った。 ヒナ鳥って?完全に遊ばれてる けど、こんな風に気にかけてもらえるのも嬉しかったりする。 「美緒、お肉焼けたのみんなに渡してね」 はーい。ぽわっとしながら お肉を持って離れた。            
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