夏の始まる頃

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お肉を配り、静香の隣に戻ってきた 美緒を静香が「涼馬先輩…美緒が可愛いいだって」チラリと見る。 「そ、それは、からかわれたというか…」 「だって私はそういう風にされたことないよ?」ちらっと横目でいじわるそうな目線で見る。 「静香は私よりしっかりしてるし、綺麗だし、落ち着いてるから」 ふぅー。と深く息をつくと考えてしまう。 お腹もいっぱいだけど、心もいっぱいでどうしたらいいかわからない。 すると涼馬先輩の周りが騒がしくなった。 美緒は視線を涼馬先輩の方へ 移すと綺麗な女の人が来ていた。 レイヤーカットの長い髪を風になびかせ健康的な小麦色の肌でスタイルも良く笑顔が綺麗な人だった。 周りの先輩達と「久しぶり」と 挨拶を交わし、「おぉ、加奈子来たな」と声を掛けられていた。 そして涼馬先輩の隣に座る。 何気なく涼馬先輩に触れ、楽しそうに話をしていた。 静香がそれを見て 「あの人が涼馬先輩の噂の彼女なのかな?」 「そうなんじゃない?」今にも泣き出しそうな切ない顔をして美緒は俯いた。 噂は本当だったんだ… 涼馬先輩はカッコいいから彼女が いても可笑しくない…
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