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冬になる頃
管理課に移動してから美緒の生活も変わっていく。
休みの日と言えば、遊びにいくのも静香に誘われる時だけで、なにもしないで1日が終わることもある。
それがサッカーチームのメンバーに誘われる事も多くなり、夏は海、冬は山にスノボーに参加するようになる。
初スノボー…
「静香!さすがにスノボーは無理よ…」泣きがはいる美緒に静香は
「大丈夫、みんないるし…すぐに滑れるようになるってー」
スキー場に着いて急に怖じけつく美緒に涼馬先輩がスノボーのセットをレンタルしてきてくれた。
「美緒、板借りてきたから付け方を教える」
「涼馬先輩…ありがとうございます」
一通り教えてもらい美緒は滑る練習は平らのところで自分一人でやろうと思い
「涼馬先輩、後は自分で…」
「ダメ!俺が教えるから」美緒が言い切る前に涼馬は言う。
「で、でも、そうしたら涼馬先輩は滑る時間がなくなります」
「大丈夫だから、こういうのは一人でやっても上手くならないから」
ふっと笑い、行くよーと押されるように斜面の方へ連れていかれた。
二人を見ていた静香が「うふふ、私の出番はないのね」微笑ましく思う
そして涼馬先輩の松岡修造さながらの熱血指導が始まる。
それに必死についていく美緒は、お昼前には、ごてごてになっていてランチを食べる頃には
「涼馬先輩は鬼だぁ…」と呟いていた。
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