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《時代》
明治初期の日本。
江戸から明治へ日本は文明を取り入れていき、市民の生活は活気に満ち溢れていた。その反面で、急激な改革の波に、民衆の貧富の差は広がり、貧しい農村部の者たちは金を得るため、人身売買の裏取引も盛んであった。
山形賢三郎。
炭鉱開発で財を成した豪族。
その息子である山形甚太郎は齢二十五にしてその裁量を発揮し、父親より炭鉱の一部を受け継ぎ、独自の手法で炭鉱業を拡大して行った。
屈強な男たちを集め毎日炭鉱で働かせ、炭鉱近くに屋敷を建てて、住み込みをさせていた。
そんな男たちの性欲の捌け口として、山形に買われたのが菊之助だった。
日々の重労働に精の発散は必要不可欠、しかし妻帯者もいた為、女性では具合が悪く、性欲の捌け口として買われるのは若い男子だった。
貧しい農家の三男坊に生まれた菊之助は、生活のため金を得なくてはならなくなった親に、齢15にして奉公人として闇市で売られてしまう。しかし、見目美しかった菊之助は、運悪く山形の目に留まり、甚太郎の元で性奴隷として飼われることになったのだ。
もともと甚太郎は男色の趣味もあり…従業員の男達が戻る前には、試し射ちとして男どもが、すぐ遊べる様に菊之助の身体を仕上げていった。
しかし、菊之助に向けられる愛情はなく、常に淡々とモノとして扱い続けられていた。
豪族に買い取られて…
男たちの毎晩性処理を仕事にさせられる。
貧しい農家の三男坊だった菊之助の生活は…
一夜にして一変してしまったのだった。
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