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《来訪》
それから数週間が過ぎる。
二十代から四十代の屈強な男たちが、毎夜代わる代わる、時には複数で菊之助の身体を数時間に渡り弄ぶ。
「おら、こっちも咥えろ」
「ふ、ぅぐっ…んんっ」
四つん這いのまま、無理やり肉棒を咥えさせられ、背後から別の男に貫かれ…
身体中を舐め回される。
「っおお!」
中年男が呻きながら菊之助の胎内で達して、その肉棒が退いても、すぐさま次のソレが捩り挿入ってくる。
「んァっ、も、やめ…!あァ…」
酒で浮かされた身体に、何本もの男を刻み込まれ、嫌悪感や快楽の区別もつかなくなるほど、嬲り続けられた。
男たち全員が満足する頃には、菊之助はぐったりとして、身体が休息を求めて抗えない疲労感に意識を失ってしまう。
次に眼を覚ますと、朝になっていて、いつの間にか汚れた身体は綺麗に拭われ、着物も召し替えられているのだ。
誰かが、眠っている間に、自分を起こさないように綺麗にしてくれているのは確か…
それが誰なのか気になり、その日は一連の行為が終わっても、疲労からくる睡魔に負けないように起きて様子を伺っていた。
すると、しばらくして地下部屋の戸が開き、誰かが入ってきた。
眠ったふりをして、様子を伺う。
ロウソクの明かりだけの部屋、少しくらい眼を開けていても、遠目からは分からない。
入ってきた人物は頭に頭巾を被り、口周りも頰被りの布で覆われ隠しているようだ。
すらりと背が高く、やや丈の短い着物を羽織っていて、恐らく男性のよう。
その男は黙って衣服や湯を用意して、こちらへ近づいてくる。
近くに灯を置き、その手で優しく髪を撫でる。
「……」
恐怖心もあったが、なんとか眠ったふりを続けていると…
菊之助の長めの髪をクシでとき、纏めて結う。
それから湯につけた手ぬぐいを絞り、裸体の顔や身体についた汚濁を優しく拭っていく。
それがなんとも心地よい。
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