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そして私達は屋上に横になり、天井に描かれた天体図を眺める。
残念ながら、党の中から本物の空は見れないけれど、星空の配置が記された天体図に、私はいつも夢を見ていた。
薄暗い中、天体図に埋め込まれ、星に見立てられた魔石が光を放ち、本物はこれよりも綺麗なのかと期待に胸踊らせてきた。
「それで授与はされなかったの?」
「うん、精霊がいなくなった後も、なにも起きなくて」
「そっか、じゃあひとまずはその『複製魔術師』って言うのがなにか見極めないとやね」
「うん」
適正も随分と変な名前。
けれど、精神的に疲れた私の脳内はもう稼働する気は皆無で。
「もう部屋に戻らない?」
「んまぁ、考えてもしょうがないか」
リアはすっと立ち上がり、私の手を引いた。
持ち上げられるように起き上がり、二人で部屋に戻った。
それからすぐさま床について、私は睡魔に従って、夢に落ちた。
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