7・黒翼刀

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キィィィン――。  リアの光は一瞬だけ刀の形になると、オーガの鎧に弾かれる。 「思ったより硬いんやね。骨が折れるわぁ」  オーガの1太刀がリアを襲うが、すらりと舞い、寸でのところで躱す。  リアを辿るように流れる光の粒子が、オーガの刀で消え失せる。 「なぁーるほど……」  リアは一旦距離を置き、大声で声を上げた。 「ティアラ、手伝って!」 「えっ、そんなにやばいの?」 「うち1人じゃ、骨が折れそうやねん」 「うん、じゃあ撹乱するくらいでいいよね」 「十分」  私は腰からロッドを抜き取り、魔法陣を描く。 「七星の燕(セブンスワロー)」  3羽の燕が宙を舞う。  漆喰のような煌びやかな黒が、腕を伸ばした私の腕を並ぶ。 「たぶんこういう使い方と違いそうだけど、使わせてもらうね」  私が指先で空気を撫でるように持ち上げ、掌を下に向けて人差し指をたてた。 「行きなさい」  私の号令に合わせて、燕が黒線を描いて、交わるように宙を切る。  燕はオーガの視界に切り裂くと、黒い線影を残して、リアの姿を隠す。 「ウガァァオォォ!」  オーガが咆哮し、刀を振り回すと、線影は消え失せて、リアが切っ先をたてて、飛び出す。  キィィィン――。  寸でのところでオーガは腕を持ち上げて、リアの1太刀を受け止めた。  そしてその視界にまた燕。  今度は目の前で滞空して、オーガの視界を完全に塞ぎながら、首を傾げる。  咆哮を重ねて、燕に刀を向けるが、燕は瞬間、飛び去るとまた線影を残す。 「もらったで」  リアがその線影をなぞるように光の太刀を振るう。
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