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「そっか、ありがとぉ」
「おう、気にすんな」
思っていたより気さくに話をしてくれた。
クィールはお尻の葉っぱを払い落とすと、依頼を受けているからとその場を立ち去った。
「ひとまず剣士学校に向かおうよ!」
「そやね。妖刀使いが気になるし、この刀、どうにか運べへんかな?」
リアはどうやら弟さんを勧誘するつもりのようだけど、弟さんを勧誘しないにしても、折角の妖刀。
シエラの言う通り、使い道がわからなければ、お金に変えるのも1つの手だとは思う。
「けど、触れたらだめなんでしょ?」
「それなら私が運べますよ」
シエラは魔法陣を形成すると、そこから長いロッドを取り出した。
「私、空間魔法ならそこそこに使えるので、その刀を入れれば、触らずに運べます」
「えっ、シエラ凄い!」
「確かに優秀な荷物持ちや」
「リア!」
「冗談や」
リアが冗談で言った言葉に、私は説教をする。
リアは時々、考え無しに言葉を連ねるので、私が怒らないと歯止めが効かないことがある。
「お2人とも、本当に仲がいいんですね」
シエラはくすくすと笑いながら、妖刀を魔法陣で包み込む。
「私も、その輪に入れるように努力しますね」
シエラは嬉しそうにガッツポーズを見せた。
「……あれ?こういうノリは違いましたか?」
「ううん、私もばしばし仲良くするから宜しくね!」
私もガッツポーズを返して、3人で談笑しながら、剣士学校へ向かった。
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