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――――剣士学校。
正式名称『第1マグラマーン剣術学校』
過去、魔法より剣術が有能とされた時代には、5つもの学校が併設され、勇者や、英雄が生まれていたが、ジンオウという現代までの全ての人類最高と歌われた魔術師の誕生で、時代は魔法へと移行していった。
現在は塔内の地下に3階分のスペースを使い、およそ500人の学生を抱える。
重苦しい地下への扉と、開くと湿気を孕んだくらい通路が出迎える。
「これはちょっと躊躇うね」
私達はその扉の前で地下へと続く通路を眺めている。
「なんでこんな辛気臭いとこで勉学に励んでんや。うちなら脳みそ腐るで、ほんま」
「たしかに不快指数は異常に高そうですね、私も森の中で暮らしていましたが、ここは論外です」
私達がしどろもどろしていると、背後から線の細い男の子が声をかけてくる。
「すいません、通ってもいいですか?」
背中には木の棒を担いで、皮のベルト程度しか装備はしていない軽装。
低学年だろうか。
さておき、この好機を逃す手はない。
「あのね、私達、クィールさんの弟さんを探しているんだけど、わからないかな?」
「たぶん生意気で、自信過剰なタイプやわ」
「ちょっとリア!」
「? 要件はわかりませんが、僕がクィールの弟のアルカインです」
「……まじ? さっきの冗談よ」
リアはこの偶然の出会いを、最悪のものにしたけれど、本人は首を横に降って、「気にしてませんよ」とくすくす笑う。
「兄に友達がいたとは思いませんでした。それに、こんな愉快で、兄を自信過剰と言える方々です。そこそこに付き合いがあるんでしょう」
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