7・黒翼刀

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「それじゃあ学校長に会わせて貰えないかな?」 「校長ですか? 不在かもしれないですけど、案内しますね」 「あっ、まって! 君、名前は?」 「あっ。そうですね。失礼しました。僕の名前はクィートです」 「お兄さんと名前似てるね」 「我が家はみんなクィーから始まります。これには『誠実』という意味が込められているそうです」 「なるほど……」  リアと見合わせて、クィールとの初対面を思い返す。  誠実とは、到底かけ離れていた事はどうやら胸に秘めなきゃならない。 「ところでお2人は15~16歳と言ったところですか? 魔法学園の中学年というと、それくらいのイメージなんですけど」 「そうですよ。クィートくんはお幾つですか?」 「僕ですか? それはおいおい自己紹介していくということでいかがですか?」  それを聞いたシエラが小さく一言呟いた。   「事情(わけ)あり……ですね」 「鋭いですね。まぁ、それもおいおい説明しますよ」 「どういうこと?」  シエラは首を横に振り口を開こうとはしないが、自身の腕のローブを固く握りしめている。  何か思い当たる節があり、それは余り好ましいものではないことが窺える。 「それではこちらです」  シエラの表情が、クィートに立ち篭める暗雲を予見させ、彼のあどけない容姿が、底知れぬ不安を駆り立てている。
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