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「ほぉほぉ。黒曜石から出来た妖刀か。それなら恐らく『使用者の理性を喰らいながら切れ味を増していく』性質があるだろうな」
「魔法……使えるんですね?」
「んっ、あぁ。奥さんが魔術師だからな、興味本位で教えて貰ったんだ」
柔軟そうな性格に見えるが、適正を与えられると、そういう柔軟さを皆等しく失う。
「器用貧乏ってやつだな」
照れくさそうにはにかむ学校長に、重苦しい空気が少し和らいだ。
「それで。クィートを連れていくのなら、1つクィートに試練を出そう」
突然、学校長はクィートに試練を与えると豪語する。
クィートはただ瞼を見開いて、その言葉の続きを待っている。
「調べたところ、君達は依頼を受けているね?」
「千年宝石ですか?」
「そうそれだ。それにクィートを連れて行ってくれないか?」
学校長はクィートの肩を叩くと、にんまりと笑顔を咲かせる。
男っぽいのに何故か華があるその顔立ちに、私は少し見惚れる。
リアはそれを見て、ぼんやりと私を見つめている。
「クィートにはそこにある千年草の回収もしてもらいたい」
「千年草ですか?」
私が疑問を投げかけると、学校長は頷いて机の上の資料を私達の前に差し出した。
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