8・忍び寄る影

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「じゃあおさらいするよ」  私はリアから受けた指示を復唱した。  1つ、私から意思伝達を出来るかどうか。  1つ、リアから返信が可能かどうか。  1つ、その際にリアの魔力を感じられるかどうか。 「それでえぇから、やってみてんな」 「うん」  何かを伝えなきゃいけないので、私は何か伝達内容を適当に考える。 (お腹すいた……)  あまりに粗雑だから、少し恥ずかしいけれど、簡単な程、魔力量は必要なくなるので、わりとシンプルにしてみた。  必要な魔力量はわりと簡単に理解出来た。  私の思考を読み取るように1匹の燕が私の前に自動で舞い降りると、私から魔力を吸いこんだ。  どうやら必要に応じて、自動で魔力量を決めてくれているようだ。 「行ってきて」  私の声に答えるように、燕は空を舞うと、少し離れているリアに向けて、飛び立つ。  これが凄まじい速度でリアに向かって飛んで行ったから、みんなが眼を疑った。 「やば……」  視界に捕らえることすら困難な速度に、世界1周も数分で出来るんじゃないかと疑う程だった。  そして、リアの肩にゆったりと脚をつけて、燕は魔力をリアに注ぎ込む。  リアは小さく頷いて、口を開いて大きめな声で会話する。 「うん、やっぱりティアラの魔力も感じれそうやね。これならうちらもティアラが操られているか確認出来そうやね」 「そうなんだ、なんか何気に凄いね!」 「そうやね。お腹空いたもなかなか緊張感なくて驚かされたけど」 「そ、それは……何も思いつかなくて」 「えっ、なんて?」 「なんでもない!」  中間に立っていたシエラはくすくすと笑って、2人の様子を伺い、クィートくんもその横で燕の様子を伺っている。  
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