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「じゃあおさらいするよ」
私はリアから受けた指示を復唱した。
1つ、私から意思伝達を出来るかどうか。
1つ、リアから返信が可能かどうか。
1つ、その際にリアの魔力を感じられるかどうか。
「それでえぇから、やってみてんな」
「うん」
何かを伝えなきゃいけないので、私は何か伝達内容を適当に考える。
(お腹すいた……)
あまりに粗雑だから、少し恥ずかしいけれど、簡単な程、魔力量は必要なくなるので、わりとシンプルにしてみた。
必要な魔力量はわりと簡単に理解出来た。
私の思考を読み取るように1匹の燕が私の前に自動で舞い降りると、私から魔力を吸いこんだ。
どうやら必要に応じて、自動で魔力量を決めてくれているようだ。
「行ってきて」
私の声に答えるように、燕は空を舞うと、少し離れているリアに向けて、飛び立つ。
これが凄まじい速度でリアに向かって飛んで行ったから、みんなが眼を疑った。
「やば……」
視界に捕らえることすら困難な速度に、世界1周も数分で出来るんじゃないかと疑う程だった。
そして、リアの肩にゆったりと脚をつけて、燕は魔力をリアに注ぎ込む。
リアは小さく頷いて、口を開いて大きめな声で会話する。
「うん、やっぱりティアラの魔力も感じれそうやね。これならうちらもティアラが操られているか確認出来そうやね」
「そうなんだ、なんか何気に凄いね!」
「そうやね。お腹空いたもなかなか緊張感なくて驚かされたけど」
「そ、それは……何も思いつかなくて」
「えっ、なんて?」
「なんでもない!」
中間に立っていたシエラはくすくすと笑って、2人の様子を伺い、クィートくんもその横で燕の様子を伺っている。
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