8・忍び寄る影

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「ひとまずみんなにそれつけとき」  リアがそう伝えてきたので、私は一旦魔法を解除して、七星の燕をみんなにつけたいことを説明する。  勿論、魔力の質の話はなしにして。 「ええやんね」 「えぇ、とてもいいと思います、情報伝達が速やかになりますし、離れても居場所がわかるでしょうから」  リアとシエラは口裏を合わせて、同意する。  問題のクィートくんはというと、きょとんとしたまま、「いいですよ」と頷いた。  今のクィートくんに嫌な気配はしないので、操作していなければ、クィートくんの行動は識別出来ないのかもしれない。  魔力消費の激しい操作魔法は持続することが難しいとされている。  その隙に仕掛けられたなら、尻尾はすぐに掴めるかもしれない。 「ひとまずみんなに燕のせます」 「それにしてん、丁度3匹っていうのは出来すぎやんね」 「たしかにだね」  他愛のない話を挟んではいるけど、リアの警戒心と思考は止まっている様子はない。  仮に操作していないときに行動を把握出来ないなら、その間にクィートくんにその事実を伝えれば、対策も立てられるのではないかとも思うが、まだ確信には至らない。  それはリアもシエラもきっと考えているはず。  私より賢い2人。  私が口を出すのはおかしいと、私は自分を押し殺して、談笑に付き合う。 「それじゃあ、早いに越したことはないですし」  シエラが掌を打ち鳴らして、催促する。  たしかにいつ、また操作されるかもわからない。  早いに越したことはない。 「じゃあいくよ」  私は魔法陣を唱えると、燕が3人の頭上を周回するように飛び回り、それぞれの肩にとまる。
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