375人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
そして私達は、私達の意図を肩に乗せて、一通りの冒険の品を揃えた。
その間、警戒をしていた私に変化の予兆を感じることは出来なかった。
あまり長く警戒していると、気が立ってストレスが溜まるので時々気を抜いていたけど、怪しい動きはなかったので、私もすっかり気が抜けきって、正直飽きてきた。
「ひとまず情報収集の続きしよ」
私が気の抜けた顔でぼそりと呟くと、「気、抜きすぎやで」とリアに注意されて、頭を深く落とす。
「さっきから皆さん、なにをされてるんですか?」
クィートくんがきょとんとした表情で、3人の顔を見回した。
シエラは少し視線を外したまま、知らないふり。
リアは「なんもしてへんよ」と自然に返す。
私は便乗するように「してないしてない」と頭を縦にふる。
「みなさん、不自然ですよ? 僕に何か隠し事がありますね?」
これにはリアも驚いた様子で、おっとりと静かな印象ではあるが、勘が鋭いのは伺える。
「ほんまのとこいうとね――」
リアが口火を切って、私はつい喉を鳴らす。
「あんたから嫌な気配感じるねん」
最初のコメントを投稿しよう!