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「でもそれが本当にジンオウの魔導書ならすごない? それにジンオウの魔法って使用魔力量が凄いらしいじゃん。それを複製魔導師なら改善できるってシェーンも言ってたんやし」
ジンオウの魔導書ということはシェーンとリア以外には伏せている。
あんな規格外な魔法を、初めての魔法で使用したのだからそもそも不信には思われるかもしれないけれど。
「改善出来るって言っても、この魔導書が魔力を吹き込んでくるから制御が効かなくて」
「それはジンオウの魔法として使用するからやろ? 複製魔導師の本領は複製からの『固有魔法』への改ざんって言ってたじゃん」
シェーン曰く、複製魔導師は一度記憶した魔法を変更出来るらしい。
あくまで模写であるという事が、一見、魔法の形態を絞られているようで、単なるコピーであるがゆえに書き換えることが出来るとか。
「ほら、ジンオウってさ、確か召喚魔術師とかいう激レア適正で、魔法は使用するんやなくて……あれ?」
リアが記憶を辿りながら、行き止まりにぶつかった。
それなら文献で何度も読んだことがある。
「行使する、ってことでしょ?」
補足を入れると機嫌よく、手を打ち鳴らした。
「それそれ! 召喚した精霊の魔力から形成するから、魔力量が尋常じゃなかったっていう話」
「そうだけど、なら尚更、私には扱えないよ」
「だからそれを精霊なしで使用できるスケールに複製すればえぇんよ!」
理屈はわかるけど、魔導書から流れ込んでくる魔力量が制御出来ないことには不可能。
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