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「あー、めちゃくちゃ怒られたよ」
「当たり前じゃない、盛大に遅刻したんやもん」
こっ酷く教官に怒られた後、リアと合流し、愚痴を零すまでにそう時間は必要なかった。
「そもそもさ、ティアラはセンスあるし、魔力もあるのに緩すぎ。宝の持ち腐れ!」
叱責を受けながら、鼻先にでこぴんならぬ、鼻ぴんを御見舞される。
「あたっ」
鼻先がぴりぴりと刺すように痛む。
「痛いじゃん……」
「そりゃそやね、痛くしたんやもん」
腕を組んで、眉間に皺を寄せて凄まれる。
参りましたと両手を挙げる。
リアは鼻をふんっと鳴らして、くすりと笑い、腕を解いた。
「まぁ、ティアラらしいし、えぇんちゃう?」
ここがリアと仲良くできる一因。
私はこの学園『MMS』ではかなりの変わり者。
ここは由緒ある学園で、魔法使いとして確立した貴族や、魔族の末裔、はたまた賢者のご子息なんかが通う伝統と格式高い学園。
私のような遅刻、欠席、不登校を繰り返す学生など他には見当たらない。
そんな私を友達と慕ってくれるリアは、私にとって貴重な存在だった。
「それよりティアラ、今日は『選抜式』だよ」
「あっ」
忘れていた。
選抜式という16歳を迎えた若者達が、自分の適正を確定する為の儀式のようなものだ。
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