1・世界一危険な魔導書

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 これまた魔具とされる魔水晶。  (かざ)された魔力に応じて、適正を組み分ける為の魔具。  諸説あるけれど、最上位の精霊が人間に与えたと言われているのが有力。 「では手を翳してください」 「はい……」  恐る恐る手を翳して、震える手に力を入れるが震えが止まる気配はない。  思いっきり息を吸い込んだ。 「それでは魔力を込めてください」  先生の言葉を口火に、これでもかと言うくらいに魔力を込めた。 「――随分と豊富な魔力を持ってるわね、それじゃあ――」  頭の中に声が響いた感覚に襲われて、周囲を見回した。  けれど、オウル先生以外に誰もいない。 「ティアラさん、もう大丈夫ですよ」 「あっ、はい」  魔水晶がふわりと光を放ち、続けて魔水晶から言霊が現れる。  言霊とは全ての生物が理解を出来る共通語のようなもの。  それが魔力を持って、私の正面に並んだ。 「複製魔術師……?」  初めて聞く名前に、ついオウル先生を見やるが、オウル先生も初めて見たと言わんばかりの呆気にとられた表情。  そして言霊が私の胸の中に入ってきた。
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