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ある夜
月の明かりが仄かに空を照らす
彼女にフラれた
仕事でへまをした
心がないみたいな、そんな夜
足りない心を満たしたくて、
いてもたってもいられなかった俺は
車に乗り込んで、走り出した
宛もなく、目的もなく、
夜の東名をただただ走った
時速102km、アクセルはこれ以上踏み込まない
どうしてあんなことを言ったんだろうとか
どうしてあんなことも出来なかったんだろうとか
そんなことばかり頭に残って
明日が来るのを恐れて
何かを手にしたかった
だからひたすら走った
黒くて蒼い夜は
どこまでも続いている
風が気持ちいい
遠く向こうで、街の明かりが揺らめく
ヘッドライトは無機質なアスファルトを照らす
僕は何を求める?
どこへ行こう?
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