第3話 薬

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 じいさんはすぐにお茶を持ってきた。そのお茶は飲んだことのない味だったが、おいしいかった。それにしても、じいさんは僕が茶を飲むところを凝視していて落ち着かない。  空になった茶碗をじいさんに返すと、 「ふむ、それを飲んで死なんとは!」  とじいさんが叫び、僕は思わずぎょっとした。 「一体何飲ませたんだ! じじい!」 「毒薬じゃ! それが効かんということはお前は人間じゃない! 亜人じゃ!」 「え?」  僕が唖然とした隙に、じいさんはこん棒を振り下ろした。頭に凄まじい衝撃が走り、僕は床に転がった。 「この薬を飲んで死なない亜人は強い! すごい薬になるぞ! 不老不死の薬じゃ!」  遠のく意識の中で、じいさんの声が聞こえた。
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