まさか私が……

6/7
前へ
/21ページ
次へ
廉は照れくさそうに「元気だったか?」連絡しなくてごめんと顔を近づけて小声で話す。 「ううん、私こそ、ごめんね。」 若菜もその小さな声につられて小声で返事する。何年も離れていたのに、昨日も会ったかのような感覚に嬉しく思う。 同窓会は盛大に盛り上がり、みんな思い思いに楽しんだ。 そろそろ終わりになる頃、二次会に行く人と帰る人と流れる中、廉が若菜の方をみて、人差し指で、ちょいちょいと合図を送ってきて「こっち来て」と口パクする。 「どうしたの?」と廉のそばに寄ると「この後、送るから待ってて」と耳打ちする。 「えっ?廉は二次会行かないの?」 大丈夫だと言って、幹事に呼ばれてその場を離れた。 若菜は優衣のところに行って、 「廉が送ってくれる」ってと言うと 「りょうかい!」頑張っておいでと若菜を後押しした。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

189人が本棚に入れています
本棚に追加