真逆の熱

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真逆の熱

   聖町の資材置き場屋は俺の古い友だちがやっていて、そこの住所の末尾はたしか”6―9”。  数のことばかり考えていると、不思議とその数をやたらに見るようになる。  たとえば車のナンバー、時計に表示された数字、ふいにかかってくる電話番号。  数といえば、と思い出す。  繋留柱の卸業をやっているチンピラ上がりのタカムロは、資材運搬用の中古のトラックを買い集めていた。不思議なことにナンバーの末尾はすべて”××96”だった。  偶然ですか、と訊くと、ああそうだよ、とてらてらとした生意気そうな頬を引きつらせ、笑っていた。  俺はフロイドのフィルターを乾いたベロで舐め、嗅ぎだすように記憶を眺めた。  
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