第四章 届かぬ願い、拒めない約束-虹の向こうの国

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 棺が扉の向こうに消えるとかすみは号泣した。何度も直弥の名前を呼びながら……彼女を抱きかかえるように控室に向かった。  だが、彼女はすぐに出ていった。今の彼女は眼を離せない。利光たちに合図してから、勇矢はかすみの後を追った。  彼女は外に出て煙突を見つめていた。勇矢も同じ方向を見た。  煙が昇っている。直弥の身体が魂を追って、虹の向こうの国へ向かっていると分かった。  涙で頬を光らせた勇矢は、かすみが戻るまで少し離れた場所で見守った。  そして、煙に向かって勇矢は呼びかけていた。  「さよなら、直弥。少しの別れだな。いつか会った時に思い出話をたくさんしてやるよ。待っててくれ……」
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