第一章 満開のヒマワリ-真夏の思い出

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 二人は、祖父の言葉に威張(いば)ったが、翌年からヒマワリのことは、少年たちの頭から消えていた。  興味のあることがいくらでも出てくる年代だ。一度開花に成功した植物を忘れていくのは当然だろう。  その翌年も、さらにその翌年もヒマワリ畑は規模を縮小しながら咲き続けたが、遊びに来た勇矢だけでなく、住む直弥の記憶からも消えているようだった。  だが、ヒマワリは消えることなく、数輪だったが、毎年きちんと花を咲かせていた。
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