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キリヤマ・ケア・サービスの業務が軌道に乗った頃、直弥の一周忌が来た。
欠席すると思われた貴和が訪れたので、本家は驚いたようだ。
従兄二人は、本家に残って夕食を一緒にした勇矢を外に誘った。事情を聞きたいのだろう。
「来るとはね……英志叔父さんは言ってたけど、欠席と思ってたよ」
遼雅はウィスキーを飲みながら苦笑した。従妹のことをまったく評価していないようだ。姉弟と同じく、この従兄妹も不仲だ。横で飲む翔真も同じ意見のようで呆れた笑顔だ。
自宅でないのは、早恵が二人目を妊娠中なので、飲みづらいという事情もあるようだ。
「義兄さんへの援助の打ち切りを言ってるからね。それ言われたら出るでしょ」
勇矢の口調から敬語はすっかり取れていた。本家との距離感が分かる。
「なるほどね……贅沢と引き換えなら出てくるな。法事は二、三時間だもんな」
翔真が呆れた表情のまま頷いた。
「そうでしょ。実際、法事終わったらすぐ帰ったんだから。
でも、親に強く言われたのは初めてだから、それにはショックを受けたらしいよ」
貴和に両親が甘いのは、二人も知るので苦笑しか出ないようだ。
「これから少し静かになるかな…」
「どうかな。俺を無視してるんだから反省してないだろうし」
その言葉にも賛成のようで、従兄たちは笑った。
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