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早恵の妊娠は順調と聞き、改めて安心した勇矢に、遼雅が言いづらそうに話しかけてきた。
「勇矢……一年前、直弥と何を約束したんだ?
かすみちゃんたちといる程度のこととは思えない。あの子は最後に何を頼んだんだ?」
一瞬、話しそうになった。
だが、今もかすみは傷ついている。法事の時の涙に濡れた表情を見れば、直弥を喪った心の傷はいまだに大きいだろう。そんな彼女に、直弥と約束したことを言えない。
本人以外にはもっと話せない。勇矢は首を振った。
「それはちょっと……今はまだ叶いそうにないから。絶対に守るって約束したけど、どうなるかは」
約束の実現はまだ先と認識した二人は、それ以上、内容を聞こうとはしなかった。
「時期が来たら、約束は果たすんだよね」
遼雅の問いかけに、勇矢は複雑な表情で頷いた。
「俺はそのつもりだけど、叶うかどうかは……」
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