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キリヤマ・ケア・サービスは順調に業績を伸ばし、霧山グループの一社として加わることになった。
勇矢の出向から二年経っていて、節目ということもあり、彼は新年度から霧山商事へと転籍すると決まった。
「もう、こちらに来ないんですか?」
残念そうなかすみに笑みを返した。
頼ってくれるようになっていたので、勇矢も残念だった。だが、かすみは立ち直ってきている。勇矢が傍にいる必要はないだろう。
これから勇矢は、直弥の分も商事で働くことになる。
「そんなことないよ。問題出たり、プログラム更新の時は俺も来るから」
二度と来ないわけではないと知り、かすみは安心したような笑みを向けてくれた。気持ちが弾む。これからも、彼女の笑みに慣れるとは思えない。
だが、その笑みは、いつの日か知らない男性に向けられるのかもしれない……
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