第五章 すべてを包む愛-針葉樹の森のように

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 「伯母さんがそう思うのは当たり前ですよ。俺だって、それが分かるから、ずっと見守るだけでいいかなと。でも、やっぱり二人と一緒にいたい。かすみちゃんと結婚したいと思ってしまって。  だけど、かすみちゃんが直弥の妻であったことに変わりはないです。結婚したとしても、この家の娘ですよ、伯母さん」  「勇矢くん……」  勇矢は微笑んだ。彼は、直弥ごと二人と生きていく。それは、本家の娘と孫と生きることでもあると理解している。  「そう思ってくれるなら嬉しいな。かすみちゃんは僕たちにはずっと妹だからね。  どちらかというと、勇矢が僕たちの本当の弟になるって感じかな」  「そうなるかな。実家に戻らないってことになったから」  言うと、居合わせた全員が驚いた。勇矢は霧山当主の弟の息子。後継ぎだ。  「さっき連絡して……あの家を姉に渡す代わりに、俺の結婚に関して何も言わせないと。  俺も二人と暮らすなら、新しく建てたいなって」  姉に連絡して話すと、即座に了承された。  弟の結婚は、貴和に拒否の権利はない。それよりも実家を手にできるなら、かすみとの結婚程度は無視できると思ったようだ。  両親は少し残念そうだったが、結婚しそうになかった息子が妻になる女性を選んだ。分家の役割も継ぐと約束した。反対する理由はないのだろう。二人はそのまま住み続けるので、想像より動揺はなかった。
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