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さすがに、挨拶が終われば少しは落ちつく。
「いつ、結婚式をするの?」
「半年くらい先かな。さすがに、それ以上早くは無理だろうから」
婚約期間と思えばいい程度の長さだ。家族に近い関係だったので、交際が必要ない。互いに早く本当の家族になりたいと望んでいるので、それ以上の期間は置きたくなかった。
「規模はどうするつもりだ」
英志は霧山当主の弟だが、淑子も名門の出身だ。政治家一族の娘なので、本家の尚子よりも格が上と認識する者も存在する。
貴和の気位の高さも、母親の実家と関係あるだろう。
もっとも、母親は典型的なお嬢さまで野心は皆無。次男の妻に相応しいと思う。
だが、規模を大きくすると、招待したくない者にも出席を望まないとならない。
かすみは再婚だ。しかも、一度目は本家の三男。彼の息子もいる。
その女性との結婚となると、霧山の後継絡みだと、的外れな憶測を持つ人間も出ても不思議ではない。というより出るだろう。
祝福よりも噂を好む者たちを招待したくない。そうなると、直弥のように、家族だけの挙式がいいと考えていた。
「わがままだけど小さくしたい。家族だけかな」
勇矢の所属していたキリヤマ・ソフトウェア・アンド・マネージメントは、個人主義が強いので、幹部の結婚でも決して規模は大きくない。彼も同じ考えを持っていた。
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