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「勇矢さん……私、絵を描くのを再開しようと思ってるんです」
「かすみ……」
彼女は、勇矢と結婚しても絵は描いていない。仕方ないと彼は思っていた。勇矢では、かすみの心の傷のすべてを癒せるわけがないのだと……
妊娠が、かすみの気持ちを変えたのだろう。勇矢は嬉しかった。
「家族の絵を描かないと。笑顔の絵が描きたいんです」
「ああ、いつまでも笑顔のある家にしような」
二人は軽くキスをした。そして、未来へと願いを掛けていた。
直弥に会う時まで、幸せな時間を刻めるようにと……
おわり
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