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かすみと一緒に特別室に入った勇矢の腕に抱かれたさくらを見て、待っていた者たちから小さな歓声が上がった。霧山一族の新しい一員だ。
勇矢の両親は感動の表情だ。二人には初めての女の孫だ。
「さくらちゃん、おじいさん、おばあさんだよ」
今から孫に大甘な祖父母に決定だと息子は思ってしまった……
「勇矢とかすみちゃんに似てる。これは将来美少女だな。絶妙な組み合わせだよ」
翔真の微妙な褒め言葉に、周りから笑いが起こった。
そんな中、貴和は少し後ろで遠慮がちに輪の中心の母子を見ていた。
「貴和さん、さくらです。見てやってください」
かすみの声に輪が開いて、貴和が歩み寄ってきた。彼女は姪を見て涙ぐんだ。
「本当に可愛いわ……勇矢とかすみさんによく似てるわね。紘基くんにも似てる。おめでとう、かすみさん」
控え目な祝福の言葉に、かすみは笑みで返した。
「ありがとうございます」
貴和は勇矢にも向いた。
「二人目の子供おめでとう」
紘基を自分の甥-勇矢の息子-と認める言葉に、彼は静かに頷いた。
「ああ、ありがとう」
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