第一章 満開のヒマワリ-真夏の思い出

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 「ね、ここに植えようよ」  従兄(いとこ)の少年の声に、勇矢(ゆうや)も満面の笑みで頷いた。  「うん。あっちまで植えたら、あの時と同じみたいに咲くな」  二人はにっこりを笑みを交わすと、庭の一角に種を秘かに()き始めた。  小学生の二人でも、さすがに勝手に花畑を作れない程度は分かっている。だが、()えてきた植物を引き抜けとは言われないと考えた。  それに、見事な花畑になれば、きっとみんなも驚いて()めてくれるだろうとも思った。
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