第一章 満開のヒマワリ-真夏の思い出

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 二人は、一年前に聞いた祖父の言葉を(おぼ)えていた。  通う小等部の栽培活動では、昨年にアサガオを植えた。一度育てているので、植物栽培には少し自信があった。  霧山家の運転手に、植物の売っている店へ連れていってもらい、二人はヒマワリの種を大量に買い込んだ。  昨年、ヒマワリを持って帰った時、二人の母親たちは大きな花瓶に入れて飾ってくれた。  自分たちで育てた花が咲けば、喜んで()めてくれると信じた少年たちは、種を()くと水やりを交代で行って、育っていくヒマワリを笑顔で見守った。
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