第二章 従兄の怒り-竜巻が起こり、消えた後に差し込む光り

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 リビングに入ると、直弥は普段よりもさらに穏やかな雰囲気だ。効果を実感しているからだろう。  「元気そうに見えるぞ。顔色もいいし」  声を掛けると、直弥も笑顔で返してきた。  「うん、ありがとう。身体も少し軽くなった感じ。すごく気分いいよ」  そして、勇矢に少し申し訳なさそうに続けてきた。  「いつも、いろいろ持ってきてくれてありがとう。  僕があんまり出られないから、かすみも休みの日は家にいることが多くてね。だから、本当にありがたいなってね」  冬は風邪やインフルエンザが心配だ。直弥は通院以外はあまり外出しなくなったと聞いている。素直に勇矢に感謝しているようで、少し後ろめたかった。なので、すぐに首を振った。  「いいって、一卵性従兄弟(いとこ)だろ。このくらいなら当たり前だって」  直弥だけでなくかすみも笑っている。本家で聞いたのかもしれない。  「勇矢さんに会った時、驚いたんですよ。ほんとに双子の兄弟みたいだって。  遼雅お義兄(にい)さんや翔真お義兄(にい)さんよりも、二人は似てますよね」  ここで、かすみはいたずらに笑った。  「でも……やっぱり直弥さんがお兄さんって感じ。勇矢さん、やんちゃな弟って感じですよね」  勇矢と直弥は顔を見あわせて苦笑した。だが、勇矢は(かす)かに心が痛んだ。  かすみは当然だが、直弥が最優先。分かっているが……  だが、いつまでも自分も見てほしいとも思った。それが、大切な夫の従弟(いとこ)という立場だとしても……
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