第一章 満開のヒマワリ-真夏の思い出

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 「庭に何を勝手に植えたの」  指摘にびくりとした。バレるとは思っていなかった。伯母の言葉に直弥を見ると、涙目で(うつむ)いている。勇矢が来る前に同じことを言われたのが分かった。  「あ……あの……」  怒った姿を見たことのない尚子(しょうこ)(けわ)しい表情に、勇矢は言葉が出なかったが、大人しい従兄(いとこ)を守りたいと、名前のとおり勇気を出した。  「俺、ヒマワリ植えたいって、直弥に頼ん……頼んだんです。  だから直弥は悪くない。俺がヒマワリ畑見たいって。  昨年、おじいさまに連れてってもらったから……」  「昨年?お義父(とう)さまと行った時のこと?」  意外そうな伯母に勇矢は頷いた。  「うん。ヒマワリもらってきた時。  すごく広い場所にいっぱいヒマワリ咲いてたから……また見たいって」  聞いた尚子が溜息をついた。  「植えたいならきちんと言いなさい。植える前に言ってくれたら、そのくらいの場所なら準備できたのに……」  子供の計画だ。そこまできちんと考えるわけがない。
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