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勇矢の想像どおり、庭師の佐藤は、二人に手伝いはさせなかった。だがヒマワリ畑だけは例外で、彼が逆に少年たちの手助けをした。
隠れないで世話ができるようになったヒマワリ畑は、その後も順調に成長して、夏の盛りの少し前に花を開き始めた。
「え……」
ほとんどの花が満開になった頃、二人から落胆の声が出た。横に立つ庭師が苦笑している。
「直弥さま、こんなに綺麗に咲いております。勇矢さまもよく頑張りましたね」
「でも、全然広くない……」
直弥の残念そうな声に勇矢も頷いた。想像していた広大なヒマワリ畑からはまったく遠かった。
「確かにそれほど広くはございませんが、充分に見事でございます」
彼も広いとは思っていないようだ。庭師だから、当然気づいていただろう。だが、元々勝手に植えてしまったのだから、抜かれないだけでも良かったはず。
それでも、怒られたことを思うと、こんなに狭いと落胆するのは仕方なかった。
「何本か切り取ってお部屋に飾りましょう。みなさま、絶対喜ばれますよ」
昨年も勇矢の両親は喜んでくれた。きっと今年はもっと褒めてもらえるはず。少し元気になった少年たちは、庭師の提案に素直に頷いた。
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