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「じゃ、いこ」
歩幅をいつもより緩めて、美鳥君は歩き出す。
「ひゃい」
「そんな、焦らなくていいから。どっか寄り道しようぜ」
「!? 寄り道!?」
「あれ、なんか予定ある?」
「ないですっ。一つもない」
「じゃあ、一緒に夕飯食べてかね?」
「もちろん! 家族にそう伝えておくし、大丈夫だよ!」
(ごめん、アキ、名前借りる……!)
さすがに、奏太以外の男の子とごはんとか、家族に言いにくいし……奏太は家が近く過ぎてバレるし。あたしは落ち着かないまま、美鳥君の後を追いかけていく。すると、転びそうになり、美鳥君の服の裾を引っ張った。
体が接近して、ドキリとする。
「ご、ごめん、美鳥君」
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