二話

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「じゃ、いこ」  歩幅をいつもより緩めて、美鳥君は歩き出す。 「ひゃい」 「そんな、焦らなくていいから。どっか寄り道しようぜ」 「!? 寄り道!?」 「あれ、なんか予定ある?」 「ないですっ。一つもない」 「じゃあ、一緒に夕飯食べてかね?」 「もちろん! 家族にそう伝えておくし、大丈夫だよ!」 (ごめん、アキ、名前借りる……!)  さすがに、奏太以外の男の子とごはんとか、家族に言いにくいし……奏太は家が近く過ぎてバレるし。あたしは落ち着かないまま、美鳥君の後を追いかけていく。すると、転びそうになり、美鳥君の服の裾を引っ張った。  体が接近して、ドキリとする。 「ご、ごめん、美鳥君」
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