二話

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「まあ、にんにくはないから、安心して。臭くはならないし」 「気遣いありがとう」 「別に。学校明日あるから」 (そういう気配りできるところ、好きだなぁ) 「楽しみだな。あ、お店が見えてきた。ここ?」 「そう、ここ。おじちゃん、こんにちはー」 「へい、いらっしゃい」  気さくな坊主頭に鉢巻の店主に迎え入れられながら、美鳥君は等身大の笑顔で中に入っていた。 「まあ、ラーメンくるまで話そうぜ」 「うんっ!」 「ここのメンマおいしいんだよな。煮卵も」 「へぇー」  あたしは期待に満ちた瞳で美鳥君を見た。  美鳥君は、ちょっと恥ずかしげに微笑んだ。 「だから俺は追加煮卵したんだよな。マジうまいから」
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