二話

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 微妙な顔をしながら、奏太がポカリを気を使って一口だけ飲んだ。もっと飲めばいいのに、奏太はそういうやつだから、言っても無理だろう。 「うん、おいしいね。ユカリちゃん」  何で顔赤いのかわからないけど、あたし風じゃないから大丈夫だよね。うつしてないよね。 「奏太はご飯は?」 「僕はモデルだし、そんなに食べなくてもいいんだよ」 「駄目だよ。ほら、一緒に食べよ。あーん」  あたしはゼリーを開けて奏太の口に運ぶ。 「あ、あーん……」  奏太がまた真っ赤になる。あれ? あたし、気が付かないうちに風邪菌もっ てた? 「おいしい?」
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