二話

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「あたしも、奏太が幸せなら嬉しい。幼馴染だもん」 「そうだね。幼馴染、だもんね」  なんか額に怒りマークが見えたような……?  気のせいだよね? 怒る場所じゃないし。 「うんっ」 「ずっと、そうなのかな?」 「え?」  急に奏太が真剣な顔になる。じっと、無言であたしを見つめる目が、ちょっと怖い。 「本当にずっと、幼馴染?」 「奏太、引っ越しちゃうの?」 「……そういうわけではないけれど。永遠に傍にいるには、幼馴染じゃ無理なんじゃないかな」 「嫌だ、奏太といたい」 「僕だってユカリちゃんのそばに永遠にいたいけど……ユカリちゃんは、白山を選ぶんでしょう?」 「? 奏太を捨てることはないよ」  奏太、どうしちゃったの?  なんか変だよ。
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