二話

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「一人に絞れる?」 「何で絞らないといけないの?」  あたしには、言葉の意味が分からないよ。  首をかしげていると、奏太がそっと頭を撫でてきた。 「いつか、悲しいけど理解する日が来るよ」 「……悲しいの?」 「僕は、きっと悲しい気持ちになる」 「……奏太を選んでくれる人は絶対にこの世にいるよ」 「それは、ユカリちゃんではないの?」 「わかんない。美鳥君がいるし」 「……そうだよね」 (なんか、奏太が精神不安定な感じがする)  何か迷ってる感じの……少し病んでる? まさかね?  「僕を、どうやったら見てもらえるのかなぁ」 「見てるじゃん」  今、目の前でじっと見てるじゃん。
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