二話

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*  美鳥君に、放課後呼ばれた。何事かと思いながら先にトイレで身だしなみを直す。うん、今日の服は生成りの手編みのカーディガンと、デニムワンピだ。まあ、かわいいよね。  それに、赤いチェックのサンダル。  美鳥君は相変わらずのスポーツブランド系だった。 「美鳥君、まだかなぁ」  ぼそりとつぶやきながら、あたしは誰もいない理科準備室にいた。ここ、地味に怖いから苦手なんだけど、なんであえてここなんだろう? 確かにいつも空き教室ではあるけれど……骸骨とかホルマリン漬けとか、嫌なんだよねぇ。背筋がぞくぞくする。 「おまたせ」
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