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三話
「ユカリちゃん、うええええん」
「泣かないの、奏太。お熱あるんだからね?」
「熱いよぉ、うえええええん」
あたしは奏太をギュッと抱きしめる。
そしてそっと撫でてあげた。
「ゆっくり休まないとダメだよ」
奏太はだるいはずなのに、強い力であたしを押してどかそうとする。
「ユカリちゃんどこか行ってよ。うつっちゃうよぉ」
「大丈夫だよぉ。あたしは、奏太が心配だから……ってあれ、なんか目が回る……?」
「ほらぁ!」
懐かしい夢を見た。小さなころは、本当、奏太がかわいくて世話を焼いて回ったなあ。
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