〈第7交差点〉

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♪振るえ振るえ心の旗 ♪どんなに時間(とき)が経ったって ♪振り続けたい心の旗 のっけから私とタツミくんの力強いハモり、メインの旋律。 旗を振れ→フレー、なんていう一説を拾ってきた私を、タツミくんはたいそう誉めてくれた。 そして短い間奏を挟んでからの、タツミくんのパート。入れなくていいと頑なだったタツミくんの思い出を、私が無理矢理ぶち込んだ(笑) ♪超久しぶりの野球観戦 ♪小さい頃にも来た場所 ♪全然変わらない雰囲気 ♪懐かしさ込み上げて不覚にも ♪泣きそうになっちゃった 私のパート。どう考えてもいらないと思う私の感想を、タツミくんが無理矢理ぶち込んだ(笑) ♪初めての野球観戦だったんだ ♪応援グッズも美味しいお弁当も買っちゃった ♪互いのおかずを摘まんで笑い合った ♪突き抜ける空の下で ♪まるでピクニックみたいだね 続いて、タツミくんと私が掛け合いで歌い、最後の節でハモる。 ♪ほら試合開始(うねる声援(エール)) ♪知った人でもないが(気持ちは一緒) ♪打ち上げられた真っ白い球に(どこまでも飛んでけと) ♪祈りを込める ♪心の旗で追い風を起こそう もう一度、今度は私、タツミくんの順で掛け合い、最後の節でハモる。 ♪うわっこっちに飛んできた!(うっそまじで?) ♪夢を掴もうとするみたいに手を伸ばす(捕れる?) ♪掴んだのは情けないけど空気だけ(ちょっとー!) ♪やった!と手に入れたあの子は(あの子は) ♪そのボールに夢を詰め込むだろう(だってそうでしょ) ♪昔の僕もそうだったから ♪へーっそうだったんだぁ! 終盤のサビに向けてギターの音色がどんどん力強くなっていく。 私とタツミくんは一度顔を見合わせて、目配せをしてから最高潮に歌い上げた。 ♪振るえ振るえ心の旗 ♪どんな大雨に見舞われたって ♪どんなにずぶ濡れになったって ♪いつかは晴れる ♪いつかは乾く ♪振るえ振るえ心の旗 ♪どんなに時間(とき)が経ったって ♪大丈夫変わらないものだってあるから ♪振り続けたい心の旗 ♪振るえ振るえ ♪フレー…hurray …ぶっちゃけ、聞き手の事を考えずに、自分達が詰めたいだけ詰めた、何が言いたいんだかよく分からない歌に仕上がったと思う(苦笑) でも。 ジャーン、ジャカジャン、とタツミくんがギターを撫でて締めると、わっ!と歓声と拍手が上がった。 思いもしなかった光景に目を丸くしていると、横からタツミくんが私に手を差し伸べていた。 乗せるの?私は自分の手をおずおずと伸ばす。 するとタツミくんはその手の縁を優しく掴みながら高々と上げて、スッと後ろへスイングさせた。 拍手喝采をしてくれるお客さん達に、お辞儀をしたのだった。 …
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