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隙間風でも入ってきてるんだろうか。私は首を傾げながらベッドから下りて、カーテンのまわりを確認してみる。だけど、隙間風が吹き込んでいる様子はない。私は不思議に思いながらベッドに戻る。だけど、カーテンは揺れ続け、その激しさはどんどん増してゆく。
不気味に思った私は、口元まで布団を被り、カーテンの方から視線を反らす。それでも、カーテンが揺れているのは感覚的にわかる。チラリと横目で覗うと、カーテンの揺れが激しくなり、青白く光っているのがわかる。
あまりの恐怖に、ベッドから飛び降りようとしたけど、金縛りにでもなったかのように体が動かない。助けを呼ぼうと声を上げようとするけど、声も出ない。私は怖さのあまり、ガタガタと震えた。
やがて、青白い光がだんだんと人の形になってゆく。それを見たとき、私は絶対に幽霊だと確信した。このままでは取り憑かれてしまうかもしれないと思った私は、必死に藻掻こうとしたけれど、やはり体が動かない。恐怖で目尻から涙が溢れ落ちる。
そのときだった。青白い人型の光の方から、
「何もしないから、怖がらないで」
と男性の声が聞こえてきた。声の感じからするに、若い男性のようだ。
私が光を注視すると、その中からゆっくりと人が出てきた。
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