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そんな彼らの神殿に、来訪者があった。 彼らよりも少し───五つほど年上だと思われる少女だ。 「来たよ、来たよ」 「来たね、来たね」 「五千年ぶりの来訪者」 「いらっしゃい、いらっしゃい」 少女を見て双子の神は笑う。 久方ぶりの来訪者が嬉しくてたまらないとでも言いたげに、ただただ子供らしい無邪気さで。 それを見た少女は血が滲むほどに唇を強く噛む。 しばらく俯いていた少女だが、決然と顔を上げると、凛とした静かな声で言った。 「私を、過去へ。あなた達が時の神になる前日へ。」 そう言って少女は懐から短刀を取り出し、それを自らの胸へ突き立てて心臓を抉りだした。 「君の命を犠牲に、君を過去へ。君が望んだ瞬間(とき)へ。願いを叶えられるか、叶えられないかは君しだい。さぁ行こう。時空を超える旅へ。」
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