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そんな奈智の姿を見て頼もしく感じて、私は嬉しくなった。
「わかったよ奈智、決勝は私も全力で戦うよ!
そうだね奈智の言う通り、ここまできたら金メダルを取りに行こう!
風凛、奈智そして自分自身を含めた3人のためにね!」
不思議と私も強い闘志が湧いてきたと感じていた。
「はい」
奈智は笑顔で元気に返事をしてくれた。
試合開始の時間が近づいてきて、スタッフから会場に入るように指示があった。
会場に入ると、さすがに決勝戦だけあって会場内の観客は満席で、マスコミも多いように感じた。
会場の観客席を見回すと、風凛の姿を見つけることができた。
「奈智、風凛が応援に来てくれているよ!」
私が風凛がいる方向を指さすと、風凛が笑顔で手を振ってくれたので、それに答えるように奈智と私も風凛に向かって手を振った。
「それでは、沙羅さん頑張りましょう!」
いつもは私のほうから声をかけるのに、今日は奈智から声をかけてくれた。
「うん、頑張ろう!」
私は奈智としっかりと目を合わせて、お互いの気持ちを確認した。
試合開始の時間になって、奈智と私はコートの中に入った。
コートに立った強い意志で決勝に臨む奈智の姿は、私にはすごく大きく成長した女性に見えた。
(絶対に勝つ!)
私はこの決勝で、奈智と2人で最高の戦いをしようと心に誓った。
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