2人目の女の子! カウンセリング終了

1/1
前へ
/14ページ
次へ

2人目の女の子! カウンセリング終了

「あっ、そうだ」 梨奈は自分のバックから、一枚のカードを取り出し、オレに差し出した。 「コレ、持ってて」 受け取ると、カードは名刺みたいな物だった。 梨奈の笑顔のプリクラが貼られていて、その下には電話番号とメールアドレス、それにもう一つのアドレスが…。 「梨奈、この3番目のアドレスは?」 「あっ、アタシ、ホームページ持っているの。良かったら見てね」 「うん、分かった」 「それと…何かあったら、連絡していーい?」 モジモジしながら上目遣いで見られた。 その恥らう姿に、思わず抱き締めたくなる気持ちを抑える。 「良いよ。じゃあ今からオレのケータイ番号とメルアド送るから」 「うん!」 オレはケータイを操作して、まずは梨奈の連絡先を入力した。 そしてすぐに電話を鳴らし、メールを送る。 「あっ、ちゃんと来た」 「良かった。じゃあ何か困ったことがあったら、気軽に連絡してくれよ? オレ自身はもちろんのことだけど、会社の力も使うから」 「百人力ね! …ありがとう、若様」 「ああ、じゃあね。梨奈」 満面の笑みを浮かべる梨奈。 最後に頭を撫でて、オレは部屋を出て行った。 駐車場に向かうと、すでに梢さんは車の中で待っていた。 助手席に座ると、くすっと笑われた。 「お疲れ様、若様。上手くいったようで、安心したわ」 「えっ?」 なっ何でセックスしたことがバレたんだ? オレが眼を白黒させていると、梢さんは本当におかしそうに笑った。 「若様、お風呂入ったでしょう? 良い匂いがしているわよ」 「あっ…」 セックス後、後処理も兼ねて梨奈とお風呂に入ったんだっけ。 「それで、どうだった?」 「梨奈は仕事を辞めるそうです。買う方も、売る方も」 「-そう。ちょっと残念だけど、それもしょうがないわね」 梢さんは眼鏡の奥の目を一瞬細めたけれど、理解したように頷いた。 「こう言ってはなんだけど、梨奈ちゃんみたいなタイプはウチの仕事には合わないわ。早く足抜けして、正解よ」 「よく言いますね。今まで仕事を斡旋してきた人が言っても、説得力ないですよ?」 「仕事は仕事よ。いちいち個人的な感情を持っていては、勤まらないわ」 …それは一理ある。 「まあだからこそ、若様のような存在はありがたいのよ。損得抜きで、梨奈ちゃんを思いやってくれたでしょう?」 「…そこまで善人ではありませんよ。まっ、足抜けさせたことは、自分でも正解だとは思いますけど」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加