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「いろいろ調べてみたんだけど、不感症って治療で何とかなるみたいだから…」
「そっその前に! ウチにはカウンセラーもいるし、性感マッサージ師もいるから、そっちを使いなよ!」
「…うん」
そう、ウチにはカウンセラーの他に、性感マッサージ師もいる。
AVみたいなことをするのもあるが、実際は不感症相手に治療行為で行うことの方が重要。
将来、跡継ぎが必要なのに、ムリそうな人に行う治療だ。
かなり客は多いみたいだし、実際に腕は良いのだろう。
梨奈みたいな若い女の子は少ないかもしれないけど、早めの治療は大事だ!
「でもそういうの、恥ずかしいし…」
「病院の方がもっと恥ずかしいよ!」
「だから、若様でどうなのか、調べてみるのよ」
げっ★ 実験台扱い?
オレでダメなら病院行き。
良かったら、このまま…って責任重大!?
「ちょっと待って! そんな重要なこと任せられても困る! オレはマッサージ師でもないし、カウンセラーでもないから」
「でも女を抱ける男、でしょう?」
…それは違いありません。
否定のしようがないので、思わず口ごもる。
「なら、アタシを抱いてみて? ダメそうなら、止めてもいいから…」
いや、それは男のオレの方が辛いことなんだが…。
でも彼女だって不安の中で、オレにすがっている。
ここで手を振り払うことは…オレにはムリだ。
「…じゃあ一つ、約束してくれる?」
「なに?」
「イヤになったら、梨奈の方から言ってくれ。オレは全然イヤじゃないから」
「どうして…」
「梨奈が美人だから、かな?」
そう言って距離をつめ、梨奈の唇にキスをした。
「んっ…!」
リップグロスの甘さが、唇から伝わってくる。
「梨奈が本当にイヤなら止めるから。約束できる?」
「…分かった。約束するわ」
そう言ってオレの首に両手を回し、キスしてきた。
オレはゆっくりと、梨奈の体を抱き締めた。
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