カウンセラーとの会話

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カウンセラーとの会話

オレはカウンセラーとの会話を思い出した。 会社の『性』のカウンセラー達とマッサージ師達をまとめるのは、ウチの親父の秘書の1人、名を桔梗さんと言う。 桔梗さんは男性ながらも、どこか中性的で妖艶な雰囲気を持つ人だった。 しかし腕は超一流、文句の付けようも無い。 オレは彼に、会議室で講義を受けた。 忙しい中でも時間を作ってくれて、オレに簡単な『性』のことをレクチャーしてくれた。 「若様、例の女の子のことですが」 「うん。…いや、はい」 ついいつもの調子でタメ口になるのはオレの悪いクセだな。 会社ではオレはまだ新人、未熟なのだから気をつけなければ! しかし桔梗さんは優しい笑みで笑ってくれた。 「緊張しなくてもいいですよ。私の前では敬語も無しで構いません」 「えっ、でも…」 「私の敬語はすでに定着しているので、お気にせず。緊張したままでは、講義に身が入らないでしょう?」 「わっ分かった」 ここは素直に甘やかせてもらおう。 「はい。では梨奈さんのことですが、彼女は精神的な面からセックスを拒んでいるのでしょう。ですのでこの場合、体には何の異常も無いと思って良いと思います」 「ああ」 「なので治療としましては、第一にカウンセリング。それで彼女の本心を明かします」 「うん」 「そこで本心を聞きだせましたら、彼女が求めるならセックスをしてあげてください」 「…そこで拒否をしたらば?」 「彼女の女性としてのプライドが粉砕されます」 桔梗さんはあくまで笑顔で語る。 「梨奈さんはまだ女子高校生、若い盛りですからね。セックスを迫って、断る男性なんていないと無意識に思っているでしょうから」 …さすがはウチの社員、笑顔でとんでもないことを言いやがる。 「でも本当にセックスする必要は無いんです」 「えっ? 何で?」 その言葉は意外だったが、嬉しい言葉でもあった。 「彼女は多分、精神面が追いつけばセックスも受け入れるようになるでしょう。なのでこの場合、彼女を感じさせることが重要なんですよ」 「でもそれを言ったら、今までの男達だって…」 「ええ、ですが心を打ち明けた後と前では、かなり心構えも違うでしょう。なので若様、もし彼女とセックスをするようなことになった場合、奉仕してあげてください」 「ほっ奉仕?」 オレにとっては聞き慣れない言葉だな。 「それって…今流行のヤツか?」 「はい、ご奉仕のことです。我々の世界で言うならば、性感マッサージをしてあげてください」 「ちょっと待った。オレはマッサージのレクチャーは一回も受けていない」 「彼女はまだ若いですし、そんなテクニックは必要無いでしょう。普通にするセックスで、彼女を感じさせることを最優先とすれば、大丈夫ですよ」 「それって…」 あっアソコへの愛撫を強く・濃くしてあげれば良いのか? …いや、そもそもオレの経験で、そんな濃厚な愛撫、したことがない。 「あの、桔梗さん。オレ、やっぱり自信が無いんですけど…」 「大丈夫ですよ。若様はあの紗雪さんをイかせたんですから。自信を持ってください」 ぐはっ!? 紗雪とのセックスは、秘書達にバレているのか…。 「まあそれでもダメなようでしたら、連絡をください。彼女を別な方法で治療しますから」 「最初っからそっちでやっちゃダメなのかよ?」 「それは流石に彼女が可哀想です。自分が不感症だなんて、大人の男性でもショックなことなんですよ?」 「うっ…確かに」 それが若い女の子なら、余計にだろう。 「若様は彼女が求めるなら、セックスをする方向でお願いします。それでもダメならば、治療という形に移りますので」 桔梗さんは苦笑しながら優しく言った。 「はあ…。わーったよ。とりあえず、彼女が望むなら、セックスもする」 「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」
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