花壇の妖精

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 家に帰ると、女の子は自分の部屋に入り、妖精を外に出した。弱ってしまったのか、妖精は目をつむったまま起き上がらず、じっとしていた。女の子はこのまま起き上がらないのではないかと怖くなり、とりあえず休ませてやろうと、空き箱にタオルをしきつめて妖精を寝かせた。 「綺麗な子」  寝ている妖精は不覚にも美しかった。きめ細かな肌に細い手足、柔らかそうな髪。本当に人形のようだったが、近くに寄って眺めると、確かに呼吸をしているのが分かった。  女の子は目を離すことができず、妖精をただ眺め続けた。時折、触ってみたくなる衝動に駆られたが、これ以上弱らせるわけにはいかない。今は見守っているだけにしよう。そう自分に言い聞かせた。
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